
PROJECT
CTI JAPAN & WAKE UP
コーチング文化の源流となる組織のブランディング。Origin of Coachingという位置づけを明確化し、受講者の増加に貢献。

WHY
現代を生きる私たちは、
本領を発揮できているのか?
不確実性が高く、未来の見通しが困難な時代において、私たち一人ひとりには、自らの課題と向き合い、達成すべき目標を定めて創造的に行動し、変化を生み出していく力が求められています。
しかし世界18カ国・地域を対象に行われた調査によると、勤務先以外での自己研鑽や学習を「何もおこなっていない」と答える日本人が全体の52.6%にも上ります。また「はたらくことを通じて幸せを感じている」と回答する日本人は全体の49.1%で、どちらも調査国中ワーストの結果です。
こうした中で組織においては、一人ひとりが持つ本来の力を発揮できるようにエンパワーし、個人のウェルビーイングや、企業・組織の成長を後押しできるリーダーシップはますます重要になっています。しかし組織のマネジメント層の中には、部下とのコミュニケーションが上手く取れず、十分にリーダーシップを発揮できないという悩みを抱える人たちが増えています。ありたい組織や個人であるために、私たちは何を学ぶべきでしょうか。
自己成長を目的とした学習や自己啓発活動の一例とその割合

HOW
コーチングの本流を
リブランディングする。

世界中に広がるコーチングの文化は、1960年代にアメリカで興った「ヒューマン・ポテンシャル運動」に源流があるとされています。人間が持つ可能性を最大化し、本来の力を発揮できる状態をつくることを目指す運動の中で、自然発生的にコーチングの運動が誕生しました。運動の中心人物だったローラ・ウィットワースやヘンリー・キムジーハウスらによって1992年に設立されたCTIは、欧米におけるコーチング運動を推進したコーチングの草分け的な団体であり、国際コーチ連盟の創立メンバーの一角であるだけでなく、世界最大のコーチトレーニング機関です。
CTIが提唱するCo-Activeコーチングは、コーチ自身の行動に焦点を当てる従来のコーチングに対して、コーチングによってつくり出される人と人の関係に目を向けることに特徴があり、現在のコーチング業界におけるスタンダードとなっています。
日本のCTIは、アメリカ国外では世界初となる活動であり、日本のコーチ文化の源流でもありました。ウエイクアップ社がCTIから正式にライセンスを受け、初の海外組織として日本にコーチングとリーダーシップの価値を伝えるプログラムを長年提供する中で、Co-Activeコーチングだけでなく、システムコーチングや360度評価などの文化が日本に初めて紹介されました。
私たちNOSIGNERは、こうした歴史を持つウエイクアップ社およびCTI JAPANのWebサイトのリブランディングを手がけることになりました。
CTI Japanのブランディング
CTIが掲げる「Co-Active」は、Co=「どうあるか(Being)」とActive=「何をするか(Doing)」を表す言葉であり、コーチとクライアントが協力し合うことで、意識の変化から意味のある行動変容を生み出すというCTI独自のコーチングの思想やメソッドを伝えるものです。この思想を日本に広く伝えることがリブランディングのミッションでしたが、米国CTIが「Coach Training Institute」という名称を「Co-Active Training Institute」に変更したことなどによって、CTIがコーチングの元祖であり多くのプロコーチを輩出してきた実績が伝わりにくくなってしまったというコミュニケーション上の課題がありました。それは日本におけるコーチングの黎明期から業界の発展に寄与し、現在では多くのCTI出身者を含めたコーチが、競合となるコーチ育成事業を展開する状況に直面していたCTI JAPANにおいても同様でした。
そこでWebサイトのデザインにおいてはコーチングの元祖としてのCTIの文脈を全面に打ち出し、「The Origin of Coaching」をメインコピーに据えるとともに、「コーチングの本流 相手と共に創るCTI」という言葉を添えて組織の源流性を明示しました。デザインのプロセスにおいては太刀川をはじめNOSIGNERのスタッフがコーチトレーニングを受け、CTI JAPANのメンバーたちとともにコーチングやCTIの歴史を紐解くことに多くの時間を費やし、その中で見えてきた物語をWebサイトのコンテンツに反映していきました。そして米国CTIのブランディングと一貫性を持たせるために、本国で用いられているグラデーションに着想を得たオリジナルのパターンを設計し、これをヴィジュアル・コミュニケーションの柱として各所に展開しています。





ウェイクアップのブランディング
ウエイクアップ社のブランディングにおいては、CTI JAPANのために開発したグラデーションを活用したブランドツールを制作することでCTIとの関係性を示すとともに、コーポレートロゴの刷新を行いました。新たに開発したロゴは、「Being」と「Doing」を両立させる「Co-Active」のフィロソフィー、コーチングにおいて重要なモチーフである「目」、組織や個人の変化・転換を表す「パラダイムシフトの波」をシンボライズしたものになっています。


さらに、CTI JAPANの受講申込や法人案件の依頼が、CTIの認定資格「CPCC」を取得しているプロコーチからの口コミによるところが大きかったことから、CPCCのコミュニティ全体をエンパワーすることで、ウェイクアップ社のブランディングにつなげるコミュニケーション戦略を提案しました。プロコーチが使える名刺やWeb会議のバーチャル背景など共通のツールをデザインし、CPCCの資格を持つ人たちが本領発揮できるような環境を整えるとともに、ウェイクアップ社やCTI JAPANにおけるブランディングをCPCCのコミュニティ全体が担う状況をつくりました。




WILL
本領発揮しながら生きる人が
たくさん増える未来へ。
コーチングの思想を活かして、相手の内面にある進むべき方向を可視化し、自発性を導けるリーダーやコーチが増えることは、仕事を円滑にするだけでなく、多くの人の生き方やウェルビーイングにポジティブな影響を与えます。自分自身のライフテーマを見据え、本領発揮しながら生きる人たちが増えていけば、社会はもっと創造的になるでしょう。今後も私たちは、CTI JAPANやウエイクアップ社の活動をデザイン面からサポートし、立場や役割を超え、一人ひとりが可能性を発揮できる未来をともに描いていきたいと考えています。
INFORMATION
- What
- When
- 2024
- Where
- Japan
- Client
- Scope
- Branding / Branding Strategy / Logo / CI Guideline / Slide format / Web / Management
- SDGs
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER(Eisuke Tachikawa)
- Web Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Kazuki Mori)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Ryo Fukusawa, Noémie Kawakita, Yoshiharu Tange)
- Management
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Yuichi Hisatsugu)
- Development