WHY
安全で持続可能な
食のためデザインに
できることとは?
WHAT CAN DESIGN DO
TO ENSURE SAFE AND
SUSTAINABLE FOOD?
私たち人類は、狩猟採集社会から農耕社会までの長い時代、食糧を自らの手で調達する暮らしを送ってきました。やがて市場が登場すると、人々は野菜や肉、魚などの食料を自分で採る代わりに、市場を介して手に入れるようになります。市場経済が発展するにつれ、効率や経済合理性が食糧生産の中心となり、農業や漁業など一次産業の効率化・規格化が加速しました。
しかし、この変化は多くの問題を引き起こしています。その一つが、単一品種の大量生産や水産資源の乱獲による生態系の破壊です。自然の生態系は本来、多様な種が共存することでさまざまな環境変化に対応してきましたが、効率重視の大量生産が進むにつれ、多様性が失われ、生態系そのものが脆弱になっています。
また、この効率化や規格化で最大の恩恵を受けているのは、大量生産に適した種子(F1種)を開発・販売する種苗企業やバイオ企業、あるいは大規模流通を担う大手スーパーマーケットなどです。一方、多くの生産者は利益の最大化とコストの最小化を求める市場の圧力の中で、自立性を保つことが難しくなっています。
さらに、大量生産や大量供給を前提とした農薬や遺伝子組み換え作物が、私たちの健康に及ぼす影響も懸念されています。消費者の間でトレーサビリティや非遺伝子組み換え(NON-GMO)作物、農薬や化学肥料を使用しない有機栽培などへの需要が高まっていることは、こうした食に対する不安の現れでもあります。
また、食料が工業製品のように大量生産される現代では、先進国を中心にフードロスという新たな問題も生じています。一方、2050年には世界の人口が約90億人に達すると予測されており、人類の食糧確保のためには、大規模農業や遺伝子組み換え技術が不可欠との意見も存在します。
このように複雑化する食の課題に対して、生態系の多様性を保ちながら、生産者も消費者も幸せになれる「食の未来」をつくるには、いま何が求められているのでしょうか。
主要国の農薬使用量の推移

食品を選ぶ際、以下の項目をどの程度意識しますか。

TIPS FROM NOSIGNER
食のデザインに
おけるポイント
KEY POINTS IN
FOOD DESIGN
POINT 01
トレーサビリティをデザインする
生産地や生産者、原材料などの情報を、分かりやすいパッケージや認証マーク、アイコンなどで伝えることで、食品の背景にある関係性や安全性を視覚的に示すことができます。このようなトレーサビリティのデザインは、消費者の不安を取り除き、持続可能な商品・サービス提供への保証となるため、商品やサービスの価値向上にも大きく貢献します。

POINT 02
志ある生産者をサポートする
有機農法や固有種の種子にこだわる農家、サステナブルシーフードの普及を目指す事業者など、多様な生態系や食の安全を守ろうと努力する生産者たちは、持続可能な食の未来に欠かせない存在です。ブランディングやパッケージデザインを通じて、彼らの挑戦を支え、消費者への啓発や購買促進につなげることも、デザインが果たせる大切な役割です。

POINT 03
食のイノベーションに貢献する
世界的な人口増加を背景に、食糧生産のさらなる効率化が求められる一方、一次産業の規格化・大量生産はフードロスの増加や天然資源の枯渇など、多くの課題も引き起こしています。こうした「食」をめぐる不均衡を解消し、人々が健康で幸福に暮らせる未来を実現するためのイノベーションを促進し、具体化するデザインが期待されています

RESULTS
食のデザインの効果
RESULTS THROUGH
FOOD DESIGN

循環農業を実現するスタートアップ企業に創業時より参画。もみ殻炭化装置を開発・デザインし、サステナブルな農業へのシフトに貢献。
HUSKEY
DESIGN CASES
NOSIGNERの
食のデザイン
“
『進化思考』太刀川英輔


