 
 PROJECT
RESEARCH CAMPUS /The University of Tokyo
サインデザインにおける著名なアワードである「SDA」にて優秀賞を獲得しました。
 
        WHY
先端科学技術を社会に
わかりやすく伝えるために。
数々のノーベル賞受賞者をはじめ、日本を代表する研究者を数多く輩出してきた東京大学の駒場第2キャンパス、通称「駒場リサーチキャンパス」は、先端科学技術研究センター(以下、先端研)、生産技術研究所(以下、生産研)という先端工学系の研究施設が集まる場所として知られています。先端技術の研究者たちが領域を超えて集まり、学際融合を推進しているこのキャンパスでは、最先端の研究が日々行われていますが、その高度さゆえに、研究内容が一般の人たちに十分に認知・理解されているとは言い難い状況にありました。先端研、生産研の取り組みが、いかに社会に貢献しているかということをわかりやすく伝え、多くの理解や応援を得るためには、どのようなサイエンスコミュニケーションが求められるのでしょうか?

HOW
先端研究の内容を
空間で伝えるデザイン。

私たちは、2009年から3年間にわたって、先端研の広報物のデザインディレクションを担当することになり、一般の人たちが訪れるオープンキャンパスなどのために、施設の概要や研究の内容をわかりやすく伝えるためのさまざまなデザインを行いました。まず、キャンパスを訪れる人たちのために、矢印の形で各館の場所を明快に指し示す移動式のサインをデザインしました。また、各館の巨大なフロアマップを描き、そこに各研究室の位置をマッピングするとともに、それぞれの研究内容の一部をショーケースのように収めた透明のアクリルボックスを配置。さらに、オープンキャンパスのキャッチコピー「Do you see the light ?」をヴィジュアルで表現したポスターを制作するなど、オープンキャンパスの内容や各研究室の取り組みをプレゼンテーションするさまざまなアイデアを空間全体に実装しました。
矢印をモチーフにした金属製のサインは、強風などによって倒れることのないように、影を模した安定感のある土台が付けられています。また、施設の特性上、オープンキャンパス時など特別な機会を除いては案内が不要になるため、スタッキングしてコンパクトに収納できる設計になっています。

各研究室の位置だけではなく、それぞれの研究内容も示されているため、フロアマップを見るだけで、駒場リサーチキャンパスで行われている取り組み全体を概観することができます。









WILL
ユニークで創造的な
研究機関としてのイメージを確立。
2016年に、生産研が英・RCA(ロイヤル・カレッジ・オブ・アート)と共同で立ち上げたデザインラボ「RCA-IIS Tokyo Design Lab」などの活動に象徴されるように、いまや駒場リサーチキャンパスには、最先端かつユニークな取り組みを行う研究施設としてのイメージが定着しています。こうしたイメージを醸成することに成功した広報戦略に私たちが少しでも貢献できていたとしたら、これほどうれしいことはありません。また、NOSIGNERが活動を始めて間もない時期に3年間、先端技術研究をわかりやすく伝えることが常に問われた一連のデザインディレクションに携われたことで、私たちは改めてグラフィックデザインが持つ機能や可能性に気付くことができました。NOSIGNERのグラフィックデザイナーとしての側面を育んでくれたこれらの仕事は、私たちにとっても非常に重要なプロジェクトとして記憶されています。
INFORMATION
- What
- RESEARCH CAMPUS / The University of Tokyo
- When
- 2009
- Where
- Tokyo, Japan
- Client
- University of Tokyo
- Scope
- Signage / Poster / Promotional items / Exhibition / Concept Development
- SDGs
CREDIT
- Art Direction
- Eisuke Tachikawa
- Graphic Design
- Eisuke Tachikawa

 
  
  
  
  
  
  
  
  
 