
PROJECT
Amorphous
AGCとのコラボレーションによるミラノサローネでの大型インスタレーション。約5000枚の強化ガラスによる分子構造模型。

WHY
世界最大の
デザインの祭典で、
メーカーはどんな
コミュニケーションを
行うべきか?
日本が誇る世界最大規模のガラスメーカー「旭硝子AGC」は、ガラスが持つ特性や新たな価値を提示し、多くのクリエイターたちの創造力や制作意欲を刺激することをテーマに、2015年から世界最大規模の家具・デザイン見本市「ミラノサローネ」への出展を始めました。そして、翌2016年に私たちは同社からの依頼を受け、ミラノサローネでインスタレーションを行うことになりました。多くのメーカーやクリエイターが出展し、世界中から業界関係者が集うデザインの祭典において、我々はどんな価値を発信するべきなのか。莫大な予算を投資しているにもかかわらず、打ち上げ花火のように一過性で終わってしまうインスタレーションも少なくない中、ミラノサローネというメディアが持つ本来の可能性にアプローチしたいと考えていました。


HOW
ガラスの分子構造を
再現し、
アート/サイエンス双方の
視点から価値を伝える。

私たちはAGC旭硝子とともに、最先端技術によって生まれた軽やかな存在感を持つ薄板化学強化ガラスを約5000枚使用し、10億倍に拡大したガラスの分子構造「アモルファス」を体感できる空間をつくりました。一定の形を持たないガラスの分子構造にインスパイアされて制作したこのインスタレーションでは、私たちの身近にあるガラスの中に潜む緻密で豊かなミクロコスモスを、最新のガラステクノロジーと光、風、音楽の演出で表現し、従来のイメージを覆す、軽やかで、自由で、表情豊かなガラスの特性を伝えています。神秘的な美しさで来場者の感性に訴えかけるこの展示は、未来のガラス技術を詰め込んだショーケースでもあります。会場には小さなサイエンスミュージアムを併設し、来場者がインスタレーションを見た後に、ガラスという物質やその技術、AGC旭硝子の製品について科学的な観点からも理解できるコミュニケーション導線を設計しました。





WILL
サイエンスと真摯に
向き合った展示は
大きな注目を集め、
新たな発見と
技術開発にもつながる。
多くのメディアに取り上げられることとなったこの展示は、前年のおよそ2倍ともなる来場者数を記録するとともに、数々のデザイン賞を獲得することができました。美しいガラスの彫刻を表現するということに加え、サイエンスと真摯に向き合うことが大きな命題となったこのインスタレーションの制作過程では、数々の技術的なチャレンジが求められましたが、AGC旭硝子とともにさまざまな実験を重ねたことが、新たな発見や技術の開発にもつながりました。


INFORMATION
- What
- Amorphous
- When
- 2016
- Where
- Milano, Italia
- Client
- Scope
- Installation / Exhibition / Concept Development
- Award
- DSA Award: BEST 502016
- Red Dot Award2016
- German Design Award 2017
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Space Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Kunihiko Sato)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Takeshi Kawano)
- Lighting Design
- IZUMI OKAYASU LIGHTING DESIGN OFFICE (Izumi Okayasu)
- Sound Design
- Kenta Kamiyama
- Photo and Movie
- Akihide Mishima