
PROJECT
SCALES
引きこもりや特別支援の生徒のための学校サイネージ。「定規」をモチーフに成長を可視化し、多様な生徒の自己肯定感を育む空間デザイン。

WHY
能動的な学びの場を
デザイン
するためには?
文部科学省の調査によると、1990年代以降、小・中学校を長期欠席しているいわゆる不登校の児童・生徒の数は増加傾向にあり、現在では20万人を超えていると言われています。不登校の主な理由として、無気力など本人の情緒的な問題、友人関係、家庭環境などとともに、学業不振が上位に挙げられています(※文部科学省による不登校の統計/通信制高校ナビ <
中には、学びの機会を放棄してしまう子どもたちも一定数いることが予想され、彼らは将来の進学あるいは就職が困難になる可能性も多分にあります。そうした子どもたちに対して、新しい知識や知恵を獲得していくことの楽しさが感じられるような能動的な学びの機会を提供していくためには、どのような場のデザインが必要となるのでしょうか。
HOW
成長をはかる物差しを
コンセプトにした
サイン計画

SCALESは、義務教育に馴染めなくなってしまった子どもたちのための学習塾のサイン計画です。「成長をはかる物差し」をコンセプトに掲げ、エントランスには連続するRC柱を定規に見立て、9つの寸法単位(mm、cm、m、yard、feet、inch、寸、尺、間)の巨大なものさしを設置しました。さらに、部屋番号からロッカー、エレベーターの階数表示、トイレのサインにいたるまで、あらゆるグラフィックを物差しやグリッドをモチーフに展開しています。これらのサインを通して、自分の身長をそれまでに馴染みのなかったさまざまな単位で知覚・認識してもらうなど、日常空間の中に能動的な学びや気づきの機会を創出することで、体験学習を通して学びの楽しさを伝えることを目指しました。










WILL
多くの子どもたちの
成長をサポートする
デザインに
私たちにとって初めてのサイン計画となったSCALESは、多くの子どもたちの社会への巣立ちをサポートするデザインとして現在も機能しています。また、そのコンセプトやデザイン性が高く評価され、私たちはD&ADなど国際的なデザイン賞を受賞することもできました。これをきっかけにサイン計画に長けたデザインチームであることが認められた私たちは、その後ホテルのブランディングなどに活動の領域を広げていくことができました。

INFORMATION
- What
- SCALES
- When
- 2019
- Where
- Japan
- Client
- Scope
- Signage / Concept Development / Space / Photograph
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Space Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Signage Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Photo
- NOSIGNER (Kunihiko Sato)