PROJECT
MIKADO LEMON
有機レモンを使った発泡性日本酒のパッケージデザイン。 レモンの皮の質感をUVプリントで再現し、 広島県デザイン賞グランプリを受賞。
WHY
衰退しつつある
日本酒の価値
を取り戻すには。
1970年代を境に販売量が減少し、現在はピーク時のおよそ1/3にまで落ち込んでいる日本酒業界。日本酒ブームと言われる昨今は、一部の銘柄が人気を博しているものの、全体から見るとその影響は少なく、数百年続いてきた酒蔵の廃業が相次いでいます。また、日本酒の海外輸出量は近年増加傾向にありますが、地域の畑やコミュニティと密接な関係が築かれているワインなどに比べ、日本酒蔵は、原料米を他県から調達しているケースも多く、地域の風土や特色を最大限に活かしきれていない側面があります。こうした状況において、多くの日本人が愛してきた伝統的なお酒を地域の魅力とともに発信し、日本酒産業を未来につなでいくためには、何が必要なのでしょうか。


HOW
レモンそのままの
デザインをした
新たな日本酒。

広島県の老舗酒蔵を営む親族を持つ三宅 紘一郎さんが立ち上げたベンチャー企業「ナオライ」によるスパークリングレモン酒「MIKADO LEMON」のボトルデザインを手がけました。瀬戸内海に浮かぶ三角島の農場で、農薬や化学肥料などを一切使用せずに栽培したオーガニックレモンと日本酒を原料とし、全く新しい乾杯のための日本酒を作り上げました。レモンの皮の質感をUV印刷によってリアルに再現した帯をボトルにあしらい、素材の瑞々しさを表現しています。また、日本酒のアップセルを実現し、新たな日本酒のマーケットをつくることを目指すブランドであることから、高級なシャンパンを思わせる存在感を演出し、広島特産のレモンを用いたエクスクルーシブな酒であるという商品の特性が直感的に伝わるデザインに仕上げています。






WILL
地域を代表する
デザインとなり、
全国に販路が広がる。
これまでにない日本酒であることを端的に表現したボトルは、ペントアワードでお酒のデザインで世界ベスト5に選ばれるなど、数々の世界的なデザイン賞を受賞し、さらにはひろしまグッドデザイン賞グランプリを獲得したことで、地域を代表するデザインとして認められるものになりました。こうした評価も追い風となり、MIKADO LEMONは当初の狙い通り、嗜好品としてのお酒を愛してくれるクライアントを開拓し、従来の日本酒にはない広がり方を見せています。
今後、このお酒が成長を続けることによって、オーガニックレモンの原産地である三角島の地域活性を実現することが私たちの見据える未来です。現在は、ナオライ株式会社とともに全く新しい製法の蒸留酒の研究開発をしており、日本のお酒の新たな体験をつくるべく並走を続けています。

INFORMATION
- What
- MIKADO LEMON
- When
- 2016
- Where
- Mikado Island, Hiroshima, Japan
- Client
- Scope
- Branding / Branding stationary / Logo / Packaging / Photograph / Web and Front End / Video
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Andraditya D.R., Aya Sakurai)
- Web Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Ryo Fukusawa)
- Development
- NOSIGNER (Naoki Hijikata)
- Photo
- Kunihiko Sato, NOSIGNER (Yuichi Hisatsugu)