
PROJECT
FOODINNO 2040
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WHY
未来の一次産業は
持続可能なのか。
加速する少子高齢化、世界的な食料需要の拡大、地球温暖化や気候変動の影響などによって、私たちが健康かつ幸福な毎日を送るために欠かせない食の未来が危ぶまれています。
2022年現在、平均年齢が67.9歳となっている農業従事者をはじめ、日本人の食を支えてきた国内の一次産業の働き手は今後10~20年の間に半減することが予測され、国内の農地面積も減少の一途をたどっています。また、世界の人口増加による食料需要の拡大、穀物価格の不安定化、日本の国際的な地位や購買力の低下などによって、これまで日本が輸入に頼ってきた食糧や生産資材の調達リスクも年々高まっています。
化学肥料の生産、食料輸送、加工、小売り、廃棄物処理など食料システムによって排出される温室効果ガスは全人為的排出量のおよそ1/3を占めるとされ、気候変動の大きな原因となると同時に、近年の異常気象などによって一次産業は大きな損害を被っています。さらにタンパク質の需要が供給を上回る「タンパク質クライシス」も危惧されるなど、食にまつわる課題が山積みとなっているいま、一次産業を持続可能にするための食のイノベーションが求められています。
基幹的農業従事者数の減少

タンパク質の需要が供給を上回るタンパク質クライシス

農水食領域の、温暖化ガス(GHG)排出量に占める割合の高さ

穀物等の国際価格の動向


HOW
食の未来をバックキャストするインキュベーター。

「FOODINNO2040 福井」は、地域の持続可能な食の未来を創出するために立ち上げたインキュベーション・プラットフォームです。プロジェクトのネーミングやコンセプト立案、Webサイトの構築などを通じたブランディングを担うことになった私たちは、「FOOD」と「INNOVATION」を組み合わせた造語によるプロジェクト名と、「食の未来を、福井から。」というタグラインを定めました。
そして、福井県が長期ヴィジョンで言及している2040年を具体的に想像できる“少し先の未来”として設定し、未来の課題解決につながる先駆的な技術や事業を有する全国の事業者による、福井を実証のフィールドととした取り組みを支援していくことをプロジェクトのミッションとしました。


Webサイトの設計にあたっては、一次産業の働き手、食料・資材の輸入、化学肥料や農薬の使用など、2040年に予想され得る具体的な課題を整理するとともに、シナリオプランニングの手法を用いて食にまつわる「希望ある未来」「絶望的な未来」をそれぞれ描写するなど、リアリティを持って食の未来を想像してもらえるような工夫を施しました。その上で、それぞれの課題の解決に向けた先進的な実証プロジェクトを全国の事業者から広く募りました。

地域の食をテーマにしたプロジェクトであることから、主要なコミュニケーションツールとして田や畑、果樹園、漁港など一次産業にまつわる地図記号を使用。これらの多くが円を基調とした造形であることから、ロゴやWebサイトのデザインにおいても円のモチーフを効果的に用いています。また、プロジェクトのキーカラーには、農水食のポジティブな未来を想起させる有機的で明るいグラデーションを採用しました。


WILL
未来にも美味しい食を
生産できる地域を育む。
ロボットの導入やAIによる生産性向上、効率的な水産養殖技術など持続可能な一次産業を実現する食領域のイノベーションは、将来の成長産業だと言えます。このインキュベーション・プラットフォームによって、福井の地を実証のフィールドとして未来の課題解決に取り組むスタートアップ企業を多く誘致することが私たちの目標です。
さまざまな食のイノベーションが福井から事業化されることによって、一次産業従事者の意識変容や生産性向上などポジティブな変化も生まれるはずです。気候変動によるさまざまな影響が顕在化する未来においても、美味しい食を生産できる豊かな一次産業が続いていく状況を地域に育み、ゆくゆくはこの取り組みを全国へと広げていきたいと考えています。
INFORMATION
- What
- FOODINNO 2040
- When
- 2023
- Where
- Fukui, Japan
- Client
- SDGs
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Moe Shibata, Ayano Kosaka, Yuta Horimoto)
- Management
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Kosuke Matsushima)
- Web Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Ryo Fukusawa)
- Development