PROJECT
GRAVITY PEARL
内蔵磁石によって形を変え、リングやネックレスなど多彩に展開できる構造を備えた人工パールの新しいアクセサリーをデザイン。
WHY
人造真珠の産地を、
未来につなげるために。
大阪府和泉市では、古来からのガラス産業とともに人造真珠の製造が盛んに行われ、現在では80%以上の全国シェアを誇る重要な地場産業となっています。ガラス玉やプラスチック、あるいは養殖真珠と同じ貝核などを原玉とする人造真珠の製造には高度な技術が用いられ、和泉市の人造真珠は欧米をはじめ多くの国にも輸出されるなど世界的に高く評価されています。しかし他の伝統産業の例に漏れず、近年は売上の減少や人材不足などに悩まされていました。こうした状況の中、人造真珠産業を未来につなげ、地域活性に貢献するためには、どのようなデザインが必要になるでしょうか。
HOW
磁力で引き寄せ合う、
変幻自在の人造真珠。

私たちは、日本人造真珠硝子細貨工業組合から依頼を受け、和泉市の人造真珠職人の技術を活かした新商品「Gravity Pearl」を開発しました。Gravity Pearlはネオジウム磁石を核とした人造真珠で、互いに磁力で引き寄せ合い、泡のように集合することによって、ネックレス、指輪、ブローチ、イヤリングなどへ自在に変化します。当初の依頼は新しいジュエリーブランドの立ち上げでしたが、素材の産地という原点に立ち返り、人造真珠という素材そのものにイノベーションを起こすことを提案しました。そして、これらが自然の造形美を思わせるような、さまざまな形状のアクセサリーに変化する設計にすることで、BtoB、BtoCのどちらにも対応できる商材に落とし込むことができました。








WILL
東京のデザインイベントで
売上記録を更新。
Gravity Pearlは、当時東京で最も注目されていたデザインイベント「DESIGN TIDE」で先行販売され、同イベント史上最高の売上を記録しました。その後も、大規模な取引の相談を受けるなど、今後の展開に大きな期待が寄せられましたが、残念ながら組合内部の諸事情により、このプロジェクトは志半ばで頓挫してしまうことになりました。しかし、このプロジェクトで実現したイノベーションは、日本の人造真珠業界ないしアクセサリーパーツ業界に新たな可能性を提示することができたのではないかと私たちは考えています。
INFORMATION
- What
- Gravity Pearl
- When
- 2019
- Where
- Tokyo, Japan
- Client
- Japan Imitation Pearl & Glass Article’s Association
- Scope
- Branding / Logo / Packaging / Product Design / Concept Development / Photograph
- SDGs
CREDIT
- Art Direction
- Eisuke Tachikawa
- Inventor
- Eisuke Tachikawa
- Product Design
- Eisuke Tachikawa
- Graphic Design
- Eisuke Tachikawa


