PROJECT
XICA
データサイエンス広告分析企業のブランディング。才能の開花を象徴する星型と、印刷と光の原色をつなぐグラデーションで領域横断性を表現。
WHY
旧来のマスメディアは
このまま消えるのか。
インターネットの登場以降、テキストや音声、映像などあらゆる情報がオンラインに移行し、テレビやラジオ、新聞、雑誌など従来のマスメディアは急速に勢いを失っていきました。インターネット利用時間は年々伸び、2019年にはインターネット広告費がテレビ広告費を上回りました。
テレビCMをはじめとする従来のマス広告は、多くの企業が年間を通じて莫大な予算を投入しているにもかかわらず、それらがもたらす売上やファン獲得につながる直接・間接的な広告効果を測定しにくいという課題がありました。それに対してインターネット広告は、その効果を定量的なデータとして正しく測定できることが大きな強みとなり、急速な発展を遂げました。
しかし、現在もテレビCMは消費者が新しいブランドに出会う場として強い影響力を持ち、CPM(表示回数単価)などの費用対効果でもインターネット広告をはるかに上回っているというデータもあります。こうしたデータがあるにもかかわらず、広告効果が計測しにくいというだけで、価値が適正に評価されず、過剰とも言える淘汰の波にさらされています。文化を代表する側面をもつテレビや新聞、雑誌などのマスメディアはそれぞれが育んできた独自の文化とともにこのまま消えゆく運命にあるのでしょうか。
HOW
データによってメディアの
価値を適正評価する。

データサイエンスの発展によって、テレビCMをはじめとする従来のマス広告の売上への貢献度や、他の広告へのアシスト効果などが適切に評価できるようになりました。2012年に創業したXICAは、データサイエンスの力を駆使し、オンライン広告だけでなく新聞やテレビなどあらゆる広告の効果を可視化する国内トップシェアの広告分析ツール「マゼラン」の提供をはじめ、メディアの適正評価を促すための事業を展開している企業です。私たちはXICAと並走し、コーポレートロゴをはじめとしたヴィジュアルアイデンティティのデザインや、新しいサービスブランドのコンセプトづくり、ネーミング開発など全体のブランディングに携わりました。




XICAの社名が、同社の理念「『才能開花』への努力をする人たちをデータサイエンスの力で支援する」に由来していることから、さまざまな才能が花開くさまをアスタリスクのモチーフで表現したシンボルマークをデザインしました。シンボルを構成する3本のラインは、印刷メディアに使われる色材の三原色CMY(Cyan, Magenta, Yellow)から、スクリーンメディアに使われる光の三原色RGB(Red, Green, Blue)へのグラデーションとなっており、あらゆるメディアが立体的に交差している様子を表しています。また、ロゴタイプでは、各文字を座標軸(X)、棒グラフ(I)、円グラフ(C)、折れ線グラフ(A)に見立て、さまざまなデータ解析を行う同社の事業内容を伝えています。

XICAが、テレビCMのプランニングから出稿、クリエイティブの評価までをサポートするプロダクト群をリリースするにあたっては、新たなサービスブランドのコンセプトやネーミングの開発を行いました。新ブランドのネーミングとして提案した「ADVA」には、AD VALUATE(広告の価値を判断する)、ADD VALUE(価値を加える)という2つの意味合いが込められています。2つのコンセプトが読み取れるように、「D」を2つ重ねたロゴタイプを開発しました。そして、既存の「マゼラン」も「ADVA」ブランドの傘下に収めることで、データサイエンスを駆使してマーケティングの成果を最大化し、広告業界を更新していくというXICAの事業内容や企業としての姿勢をより明確に打ち出しました。


WILL
創造性への投資が
最適化される未来へ。
データサイエンスの民主化を掲げ、メディアの本来の価値を証明し、広告のクリエイティビティを適正評価するXICAのヴィジョンに私たちは共感しています。
新ブランド「ADVA」とともに新たなスタートを切ったXICAは、データサイエンスの力を活用して広告効果の分析のみならず、広告クリエイティブの質を適正評価する未来の実現に尽力しています。こうしたXICAの事業の先に、古い慣習に縛られた広告業界とクリエイターの関係性もまた最適化され、巨大な広告費が社会にポジティブな変化をもたらすプロジェクトへと適切に使われる未来が訪れるかもしれません。
INFORMATION
- What
- XICA
- When
- 2020
- Where
- Tokyo, Japan
- Client
- Scope
- Branding / Logo / CI Guideline / Business card / Motion Logo / Tagline / Slide format / Promotion Strategy Support / Promotional Video
CREDIT
- Art Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Graphic Design
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa, Ryota Mizusako)
- Video Direction
- NOSIGNER (Eisuke Tachikawa)
- Assistant Video Direction
- NOSIGNER (Ryota Mizusako)
- Video Production
- CCDN (Yuichi Hisatsugu)
- Video Motion Design
- Reiya Muraoka, NOSIGNER (Jin Nagao)
- Performance
- REI, Christina B
- Narration
- ACROSS ENTERTAINMENT, inc.(Takanori Kino)
- Video editing
- Digital Studio Japan(Hiroyuki Tanaka)
- Sound adjustment
- Ryoji Saito
- Photograph
- NOSIGNER (Yuichi Hisatsugu)